アイデア生成プロセス 2024年 9月〜2月

トップページ / 情報リテラシーⅠ/ 材料加工理論Ⅰ/ アイデア生成プロセス

科目のねらい

日常生活を様々な視点で捉え(観察)語り合う(対話)活動からアイデア生成に大切な思考と態度を考えます。

1:備える・慣れる

課題の概要

4つの活動を通して、授業のねらい・目標を理解します。

もじ組 9/30

もじ組
 ZとAの組み合わせを、時間内にできるだけ多く考えるという課題。見返した時に、自分のパターンとして
  • 別の文字を形成する
  • 左右対称の位置におこうとする
  • 有機無機物関わらず実在するモノを作ってみようとする
 傾向が見られた。
 初回授業だったが故に、課題の意図を探ろうとするあまり、初動の手数が控えめだったのが心残りである。

モノがたりスケッチ

モノがたりスケッチ
 自分の身につけている靴について、根掘り葉掘りと書く課題。毎朝のルーティーンワークであるからこそ今まで、あまり強い関心を向けて来ておらず、エピソードを絞り出すのには相当苦労した。ただ、自分自身を蔑むようなセンテンスは、そのまま入れるのではなく「日常に溶け込んでいる」などといったポジティブな表現に差し替えた方がより良かった。このスタンスは常時忘れずべからず、である。

見たて石

見立て石
《モノがたりスケッチ》の派生で、石から身につけているモノを連想させ、エピソードを語ろうという課題である。丸っこい形状を所持品の中から片っ端から探し、シマエナガのストラップに落ち着いた。
石については、幼少期に旅行先で拾い集めてきた内の一つを拝借して着色した。《見立て石》の為に石を拾うよりも、手元にある石を有効活用した方が、過去に蒐集してきた自分もさぞ喜ぶだろうと思ったからだ。鞄は、元々用紙の半分近くを占めるようなサイズだったが、後に紙面に十分な情報を載せれるような大きさに描き直した。

展開図1

展開図1
 Y字で全体を三分割にするレイアウトは、ややアドリブが過ぎた気がする。見出しと本文の文字の大きさが変わらない所為で、見辛さも若干ある。書く内容に専念して、構成に手が回らなかったのは反省すべきだと私は思う。褒めるのであれば、アイデアのアウトプットを印刷機という形で表したのは、我ながら名案であった。

自己評価

 ポスター表現をする上での手法は、手探りながらも色々と試せた。だが、文字や絵の配置に一本筋が通っておらず、毎回統一感にやや欠けている印象が見受けられる。作る前に大まかな指針を作り、道中で度々していた思い付きの方向転換を控えることで、全体としてのまとまりがあるように見えてくるのではないだろうか。

2:試す

課題の概要

屋外で文字を見つけながら観察と発見の関係を探ります。

まちもじハント1

い01 と01 う(1)01 り01 ゆ01 う(2)01 た01

 身の回りの風景にある、自分の名前を探す課題。ひらがなに限定されているので、TAITOステーションなどの英語表記からITOを一気にせしめる事ができなかったのは肩透かしを食らった気分であったが、気を取り直してサッポロファクトリーや大通駅周辺を中心とした文字蒐集を行った。特筆すべき点は、立体的な《ゆ》をピックできた事くらいである。

まちもじハント2

い02 と02 う(1)02 り02 ゆ02 う(2)02 た02

 ハント1は創意工夫に物足りない所があったので、この回では様々なアプローチを試みた。《ラ》を《う》に見立て、《ス》を逆さにして《と》を見出し、筆記体の《N》から《い》を抽出した。自然物に関しては観察眼が足りず、この時点では見つけ出す事ができなかった。

まちもじハント3

い03 と03 う(1)03 り03 ゆ03 う(2)03 た03

 前回の心残りを払拭するべく、この回は物理的に視野を広げることに努めた。具体的にはご覧のように、ミュンヘンクリスマス市のイルミネーションによる《い》や、路面排水側溝と電柱の組み合わせによる《と》、一部分だけ消灯していた東横INのLEDから着想を得た《た》など、まちもじハントの集大成としては上出来だったのではないだろうか。ただ《ゆ》の形状だけは、どうにも固定概念に囚われて自由な発想が出来ていなかった気がしている。

展開図2

展開図2
 区切り線や余白の使い方については、前回の展開図よりも改善の兆候が見えている。
ただ、一つ一つの深堀りがやや物足りていないので、トピックの数を減らして具体性を追求していくべき。

自己評価

 多角的なアプローチの試みは、同一の活動を三回じっくりと取り組む事で大分やり方のコツが見えてきた気がする。ただ、それは一つ一つに目を向けた時の話で、全体として見たときに調和が取れていないのが課題として挙げられる。
指針決めや写真のトリミング、ポスター構成の吟味などが、改善策としてある。

3:実践する

課題の概要

身の回りの道具、風景、現象から動物を見立て観察と発見の関係を探ります。

まちなか動物園1

犬 羊
フリスビーを追いかけている犬 地面を蹴り上げて空へ駆けようとする羊
解説: 焼肉中、キャベツの陰影が目や耳鼻に見え、すると楕円の玉ねぎも円盤っぽく感じられたので見立てることにした。胴体は無理に加筆するよりも、観覧者の感性に任せた方がうまく脳内補完してくれると読み、顔部分の書き足しだけにとどめた。 解説: 風呂の途中、何気なく使おうとした無印良品の泡立てボールが羊の毛並みに見えたので採用。そばに掛けてあった黒字のボディタオルが大地に見えたので、シチュエーションを思い描くのは容易であった。

まちなか動物園2

うなぎ
うなぎ(群)
解説:木のうろ(断面)が生き物の目ではないかと思えたので、全体のフォルムから
鰻に見立てた。写真の段階ではのっぺり感があったので、AfterEffectsの3D
レイヤー編集で躍動感を与えた。それにより、輪郭線を加筆しなくとも雰囲気で
伝わりやすくなった筈である。

展開図3

展開図3
 イラストの挿入は良い具合だが、配置ミスでテキストが尻窄みになってしまっているのが目に余る。枠線を先に引いてから、文字や絵を順々に置いていくのが今までのスタイルだったが為に起きた問題である。ならばいっそ、大きめの付箋に原稿を書いてレイアウトを決めたほうが良いのかもしれない。

自己評価

 日常でも観察を欠かさない癖が付いてきた他方で、コンディションがアイデア探しの足を引っ張っている節が見受けられた。成長の実感はあるので、初心にかえりさえすれば、この半年間での伸び幅は計り知れない事となる。

4:振り返る

課題の概要

この授業のすべての活動を振り返ります

総評

 半年間を通して、何気なく使っていた自身のアプローチを見つめ直すと共に、他者が創造するプロセスを垣間見ることができた。個人的に専門分野を学ぶ上での基礎固めは、今後共創していく上で大いに役立つと思っている。
 闇雲に走るだけでは逆走してしまう。遠回りしてでも見たい景色があったとしても、最終的には同じ地点で合流することに留意しなければならない。そのような意味で言えば、試行回数を稼ぐことで実践を積み、エラー値を把握できたのは掛け替えのない経験であると言える。