表現基礎

教科のねらい

表現の基礎である「描くこと」と「対象を観察して理解すること」について実習を通して学びます。

手で捉える形

hand1

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コンセプト・自己評価

これらのデッサンは表現基礎の授業を受ける中で、物事に対する構成の捉え方の変化を記録したものである。(上から前半、中間、後半)この記録からわかる変化が2つある。
1つ目は「骨組み」だ。前半では、ある程度の形はとらえているものの、親指と小指のカーブに違和感があり、どこか不安定に見える。しかし、中間では、ワイヤーを手に取り付けたように手の形に着目することで、立体感の出し方を学ぶことができた。そのため、後半では、手のひらから指一つ一つのカーブやバランスが整っている。
2つ目は「陰影」だ。前半では、陰影が曖昧で平坦に見えてしまっている。しかし、中間で学んだ骨組みの捉え方をもとに、手の奥行きを意識した表現法を身につけた。後半では、より立体的にするために、反射の仕組みや光の当たり方の仕組みを学び、単なるぼかしで陰影をぼんやり入れるのではなく、格子型や角度のついた線で陰影を表現することで、手の表情を鮮明に描くことができた。
対象を描くことは「ただ見えるままに描く」のでは意味がない。その対象ならではの質感や表情、温度を全て理解し、学ぶことが必要不可欠である。また、私は以前まで、デッサンをするときに形を捉えることがうまくいっても、陰影をつける際に、大きな変化をつけるのを恐れていた。しかし、思い切って今までやったことのない表現法に挑戦することで、質の良いデッサンを完成することができた。